雨の夜、仕事で遅くなった私を迎えに、父が車で駅まで来てくれました。
帰り道、父がぽつりと言いました。
「駅に白い子猫が、サラリーマンからパンをもらって食べよったよ。」
私は気づいていませんでした。
父は、「連れてかえるか?」それこそ、朝食用のパンを買って帰ろうか、という位の軽い感じでした。
私も「そうね。いいの?」これも軽い返事。
白い子猫はすぐに捕まりました。
家に帰ると、母も「何?子猫?どこで拾ったの?」それくらい。
たぶんに私たちは、前の猫を亡くして時間が経っていたので、そろそろ良いかな、と思っていた頃だったのでしょう。
家について、その子猫はその夜だけ倉庫の中にいたのですが、翌日、家に入れてからは、悪いなんてもんじゃありません。
暴れる。観葉植物を食いちぎる。抱っこはできない。一秒たりともじっとしていません。
冗談半分、本気半分「駅に返そうか。」
野良猫から生まれた子猫のようではありません。
あまり汚れてもいませんでしたし、触られることを嫌がっているようではありませんでした。
「リッキーは、あまりにも悪さをするので、追い出されたか、自分で脱走して帰れなくなったかに違いないよ。」と、母は何かある度に言っていました。

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