今でも残っている近くの田んぼでは、田植えは終わってしまい、青々とした稲が風に吹かれています。
ずいぶん変わってしまいましたが、昔は田植えの前の田んぼに水が張られ始めると夜中にカエルたちの大合唱が始まりました。
もちろん数えたことはないけれど、きっと何万匹ものカエルたちが一斉に鳴いているはずです。
カエルをなめてはいけません。
カエルの鳴き声の騒音です。
集落の周りは田んぼばかりでしたから、あちらこちらの夜の闇の中から響く低いカエルたちのゲコゲコやらゲロゲロ、グェグェ。
たまにウシガエルのヴォーヴォーという鳴き声まで聞こえてきます。
ああまた始まったとそんな感じでした。
騒音と言いましたが、その鳴き声で眠れなかったという記憶はありません。
そして朝になって、学校に通う途中の県道にはカエルたちがいっぱい飛び跳ねて、その上を車がどんどん通っていく、今思えば可哀そうなカエルたち。
しばらくするとペッチャンコになって、そのうちひからびてペラペラになったカエルたちで道路はまだら模様になって、すり減って消えていく。
子どもの頃の私にとって、それが田植えの季節の始まりでした。

コメント