母の思い出

懐かしい話

<母が財布の中を気にした話>

この話を母から聞いたのは、私が三十歳を過ぎてからでした。私は大学生の時、一人暮らしをしていました。実家からは電車を乗り継いで、2時間もかからないくらいの距離でした。仕送りは安いアパート代と光熱費になるくらい、後はアルバイトで賄っていました。...
懐かしい話

<猫のリッキー入院、おおげさ説>

私が不在にしていた数日の間に起こったことでした。近くの道路から急ブレーキの音がしたと思ったら、リッキーが外から飛び込んできて、2階の私の部屋へ駆けあがって行ったそうです。気になって2階に上がったら、私のベッドの上でうずくまっていて、抱き上げ...
懐かしい話

<駅で拾った子猫~リッキーとの出会い>

雨の夜、仕事で遅くなった私を迎えに、父が車で駅まで来てくれました。帰り道、父がぽつりと言いました。「駅に白い子猫が、サラリーマンからパンをもらって食べよったよ。」私は気づいていませんでした。父は、「連れてかえるか?」それこそ、朝食用のパンを...
懐かしい話

<駅で母を無視したこと>

小学生の夏休み、私と従姉と二人で10日ほど親戚の家へ遊びに行きました。観光をして、ホテルに泊まり、服を買ってもらい、毎日が新鮮でした。そして旅の終わり、大きな駅に着くと、それぞれ迎えが来ていました。従姉のお母さんは、おしゃれで都会的な人でし...
懐かしい話

<母の朝ごはん>

母はどちらかというと不器用でした。家事が嫌いだったわけではないと思います。洗濯が一番好きだと言っていました。ただ、乾いた洗濯ものを畳み、普通はその整った状態で箪笥に入れますが、母の箪笥の引き出しを開けると、なぜか丸まったり、ぐちゃぐちゃにな...
懐かしい話

<キャサリン?>

亡くなった後、看護師さんと二人で母に化粧をして、そのウィッグを付けてあげました。お通夜の日、数少ない親戚が集まっていましたが、お棺の中の母を見ていた弟が「キャサリンみたい」とぽつり。母はもともとはっきりとした顔立ちでした。そのうえ、だんだん...
懐かしい話

<どうかな?変じゃないかな?>

もともと背骨も湾曲し、足も悪かった母ですが、膀胱癌になり導尿カテーテルを付けてから、外出もままならなくなりました。以前は、行きつけの美容室へ私が送り迎えをしていましたが、それもだんだん間が空いてきていました。ある日、ショッピングセンターで、...
懐かしい話

<リッキーが逃げた!>

これは休みの日の恒例行事でした。2階の自分の部屋にいると、下から母の「リッキーが逃げた」という叫び声が聞こえます。私は「もう、窓を開けるときは気を付けてって言ってるじゃないの」と声を上げます。母は「でも、一瞬だったから」と言いながら、少しし...