もともと背骨も湾曲し、足も悪かった母ですが、膀胱癌になり導尿カテーテルを付けてから、外出もままならなくなりました。
以前は、行きつけの美容室へ私が送り迎えをしていましたが、それもだんだん間が空いてきていました。
ある日、ショッピングセンターで、そこで借りた車いすに母を乗せ歩いていたら、ウィッグのお店の前を通りかかりました。
「美容室じゃなくてウィッグにしたら?髪もほとんどないじゃない」私が冗談半分にそう言うと、店員さんがすかさず出てきて、「試着されますか?」と声をかけてくれました。
それから、あれこれ試して、白髪とグレーの混じった素敵なウィッグを購入しました。
初めて付けて病院に行く日、母は「どうかな?変じゃないかな?」と心配そうでしたが、担当の先生も看護師さんにも「似合いますね。素敵ですね。」と言われて、それから母はそのウィッグを必ず付けて、病院やデイサービスに行くようになりました。
寝たきりになるまでは、そのウィッグをつけてお出かけしていました。
時に前後ろにかぶって外出しようとして、二人で笑いあったりしました。

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